休止期に入ると毛包が萎縮し、毛の末端部分が浅くなって毛母細胞と毛乳頭が離れてしまう毛根が多くなります。幹細胞とは、毛根部の下から三分の一あたりのところにあり、毛を支える役目をしている立毛筋にくっついています。殺人現場に残された1本の毛髪から犯人の血液型、性別、年齢が分かり需要な手がかりになるということはすで周知のことですが、その他にも、病的脱毛の場合の原因や全体的な栄養状態、散髪後の経過日数などの個人の様々なデータが毛髪には隠されています。髪をつくる毛母細胞も身体の中で活発な細胞分裂をしている細胞です。脱毛を防ぐには、肺臓を鍛えることも大切といえるでしょう。日本人向けのハゲの定義を提唱する大学学長の説。つまり、成長→移行→休止→脱毛というヘアサイクルが若いうちから衰退してしまうのが若ハゲです。そして、しばらく休止状態が続いた後、再び毛包の先端が下層にまでおりてきて、また栄養を蓄えて膨らみだした毛乳頭を抱え込むようなカタチになるのです。この幹細胞のあたりから下が、成長期には活発にふくらみ、休止期には萎むというヘアサイクルにともなった動きをする部分となっています。それもそのはず、毛髪をつくる毛母細胞は体内なら送られる栄養をもとにして細胞分裂を繰り返しているわけで、例えば10センチの髪なら約10ヶ月分の栄養状態、住環境などのデータをもって歩いていることになります。細胞が分裂するためには染色体を作ったりする酵素が必要であり、その酵素には亜鉛が不可欠なのです。髪の毛一本一本に酸素が行き渡るよう、酸素を十分血液に入れてやるために、空気をたっぷりと肺の隅々まで送り込むことが必要なのです。
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